白内障手術

白内障とは

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眼球内部の黒目中心の瞳の部分に水晶体と呼ばれるレンズがあります。正常な水晶体は透明で光をよく通し、屈折力を調節し、映像を眼の奥の網膜というフィルムに写す役割をしています。
しかし、年齢や外傷など様々な原因で水晶体の蛋白質が変性して、濁ってくることがあります。これが白内障です。

白内障の症状

水晶体が濁りますので、目がかすみます。また、濁りに光りが反射するため、眩しく感じたり、夜明かりがにじむようになります。調節力も低下しますのでピントが合いづらくなり、物が2重3重に見えることもあります。

白内障の治療

日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬や内服により進行を遅らせるようにしますが、改善はしません。
進行して、生活に支障が出るようであれば、手術を行います。当院では矯正視力(眼鏡での視力)が0.7以下になったら手術を進めています。
また、0.3を下回るようになったら、進行が強く手術も難しくなるため、合併症の危険が高くなります。できればその前に手術を受けることを勧めます。
白内障以外の病気がある場合は、手術方法を工夫したり、全身状態をみて手術時期を決めます。なかには手術後も他の病気であまり視力改善がない場合があるので、事前に十分相談しましょう。

白内障の手術前検査

白内障の手術前には、手術が問題なく行えるかを調べ、目にあう眼内レンズを決定します。また、全身的に問題がないかを採血、心電図検査を行います。
当院では、日帰り手術を行います。条件としては、通院が可能、重篤な合併症がない、家族の協力が得られる方です。それ以外の場合、入院での手術が安全です。既往歴などは詳しく教えてください。

白内障の手術方法

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一般的な白内障手術は(1)の超音波乳化吸引術で行います。黒目(角膜)の周辺を約3mmほど切開し、白内障を超音波で崩しながら、吸い取ります。
この場合傷は少なく、合併症も起こりにくくなります。
しかし進行して白内障が硬くなると、超音波での破砕が困難となり(2)のように傷を大きく広げて丸ごと取り出す嚢外摘出術を行います。また、白内障が眼内でグラグラと動いたり、落ちそうになるチン小帯断裂という方では(3)の嚢内摘出という方法を行います。(2)、(3)では傷も大きくなり、合併症の頻度高く、術後に乱視が出ることがあります。

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最後に眼内レンズを白内障のあった袋(水晶体嚢)に入れて、終了します。しかし、(3)の方法では袋がないため、後日レンズを縫い付ける手術を行います。眼内レンズは問題がなければ、一生取り替えることはありません。

手術の合併症

手術中は出血や袋が破ける(後嚢破損)といった合併症があります。
その際は適切に処置をしますが、手術が長くなったり、再手術を必要とする場合もあります。
術後は傷の閉鎖不全や感染に注意が必要です。特に感染は2千人に1人程ですが、失明の危険がある重篤な合併症です。術後の眼の清潔には十分に注意し、痛みや視力低下の際はすぐに受診してください。